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‐ STORY ‐
ありきたりな毎日が嫌いだった。
そんな、よくある物語の導入のような感情を抱きながら青年は帰宅する。
両親は早くに亡くした。
今時親のいない子供だって珍しくもなんともない。
世界は廃れている。
血の繋がった弟と二人暮らしできているだけ、自分は幸せ者なのだろう。
やけに静かだ。
乱暴に鍵を開け、中に入る。
「ただいま、トア。」
弟からの『おかえり』はなかった。
弟は部屋に居た。
ちゃんと生きて、そこに居た。
なのに――
「トア。」
弟の瞳が、雨空のように濁っていた。
弟の声が、聞こえなかった。
喉が潰れただとか、そういうことではなく、だ。
何も、感じていないようだった。
いつもお腹を空かせていて、自分が帰宅すると笑顔で駆け寄ってくる弟は、
感情を、盗まれてしまったみたいだ。
to be continued...
STORY
◆我確 ソウジ
AGATA SOUJI
真面目で努力家の青年。本編の主人公。
弟の感情を取り戻すため奔走する。
‐ CHARACTER ‐
CHARACTER
◆奏空 アグリ
SORA AGURI
黒づくめの青年。馴れ合いを嫌う。
何かとソウジにつっかかるが、真意は不明。
◆護侍 カズラ
MORIHITO KAZURA
飄々とした青年。冗談が好き。
友好的だが、怒ると手に負えない。
◆我確 トア
AGATA TOA
感情をなくしたソウジの弟。
一人では何もしなくなってしまった。
◆先行 カヅナ
SAKIYUKI KAZUNA
その顔を見たものはいないとされる、
神出鬼没の存在。
DL
‐ STAFF ‐
監修:青星星青
物語:百千鳥ヒソミ
絵画:青星星青
岩瀬ちべれ
音楽:U-pro.
協力:KCFSスタジオ
CAST
我確ソウジ:白銀
奏空アグリ:花枝ドロシー
護侍カズラ:アサウミ
我確トア:HIBICA
先行カヅナ:宝月弥生
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